ペルソナ

【英語】 Persona

【読み】 ペルソナ

データ解析

【英語】 Persona

【読み】 ペルソナ

用語解説

商品やサービスを利用するターゲットとなる顧客モデル。自社の商品やサービスを買ってほしい顧客の特徴をわかりやすくまとめたもの。ターゲティングなどの顧客戦略に用いられる、プロフィールを細かく定めた典型的な顧客像。

■詳細説明
ペルソナとは
ペルソナ(persona)とは、商品やサービス等の典型的なユーザーを表現する仮想の顧客像のことを指す。
ペルソナは、元来は古典劇において用いられた仮面を指し、ユング心理学などの分野で昔から使われてきた言葉であるが、「Visual Basicの父」であるアラン・クーパーが1999年に出版した著書「The Inmates are Running the Asylum(コンピュータは、むずかしすぎて使えない!)」でその概念が提唱されたことを皮切りに、マーケティングなどの他分野へ、その考え方や概念が徐々に広まっていったと言われている。

ペルソナの役割
現代のマーケティング分析において、自社の商品やサービスに対するLTV(Life Time Value)を最大化するにあたり、ペルソナの設定は非常に重要である。
3C(Customer, Company, Competitor)分析やSTP(Segmentation, Targeting, Positioning)分析などは代表的なマーケティング分析手法であるが、3C分析にはCustomerの分析があり、STP分析にはSegmentationとTargetingの分析があるように、自社の商品やサービスを提供するターゲットを明確にすることは、ターゲットごとに有効なマーケティング戦略や施策を検討する上での出発点となる。
ここでターゲットとは、例えば「30代の男性、社会人、独身」といったものであるが、消費者が、WebサイトやSNSなどで収集した膨大な商品情報を基に、市場にある商品に自分を合わせるのではなく、自分の嗜好に近いものを積極的に選択できる近年においては、ターゲットという大雑把な括りでは思ったようなマーケティング効果を得られなくなってきている。そのため、ターゲットを細分化し、より具体的な顧客像、つまりペルソナに対して、マーケティング戦略や施策を検討することが求められている。

ペルソナの設定によるメリット
ペルソナを設定することで得られるメリットは大きく次の2点である。
・関係者間で共通認識を持てること
一口に「30代の男性、社会人、独身」と言っても、それを聞いた人のバックグラウンドによって、得られるイメージは様々であるため、各担当者間の認識違いによりプロジェクトの手戻り等が生じる可能性がある。
ペルソナを明確に定義し、関係者間で共通の認識を持つことで、組織としての行動や言動が一貫し、矛盾のない意思決定とその高速化が図られる。
・顧客目線を持てること
ペルソナを名確に定義することで、顧客のニーズを始めとして、感情や行動を具体的に想像できるようになり、有効なマーケティング施策の立案を可能とする。

ペルソナの作成に関わるデータ
ペルソナは、先に述べたように、具体的な顧客像を想像する必要がある。例えば「普段は都市部に在住・在勤しているが、週末は自家用車を自分で運転して近郊に家具や雑貨探しにアクティブに出かける31歳の会社員(正社員)で独身女性の”吉澤有紀”さん」といった具合だ。これはかなり簡単な例のため、実際には次のような項目に基づき、より詳細にペルソナを定義する必要がある。ペルソナで定義する項目に決まりはないため、自社の商品やサービスの持つ特性に応じて、変化させるとよい。
また、”都合のいい”ペルソナとなってしまわぬよう、ユーザーインタビューや顧客分析(商品やサービスを利用した顧客の属性や行動特性などを分析する)などの結果も考慮することが重要である。
・氏名、年齢、性別
・職業、収入、学歴
・家族構成、配偶者の有無
・友人、家族や仕事以外での交友関係
・生活パターン(起床時間、通勤時間、勤務時間、就寝時間、など)
・性格、趣味、価値観
・習慣、休日の過ごし方
・所持しているPCやモバイル端末
・よく利用するアプリやサイト、SNS
・イメージ画像

顧客分析とデータ駆動型ペルソナ
顧客分析とは、顧客情報(年齢や性別、居住地など)、顧客ごとの購買履歴(購入時期や購入金額など)、商品情報(カテゴリやブランドなど)といったデータから、顧客をグルーピングすることや顧客グループごとの特性を分析する手法のことを指す。 代表的な顧客分析の手法としては、RFM分析、デシル分析、CTB分析、セグメンテーション分析などがあげられる。
顧客をグルーピングするために、例えば、RFM分析は「Recency(最新購買日)」「Frequency(購買頻度)」「Monetary(累計購買金額)」、デシル分析は「購入金額」、CTB分析は「Category(カテゴリ)」「Taste(テイスト)」「Brand(ブランド)」などの項目を用いる。
このようなデータに基づいた顧客分析(グルーピング)結果に対してペルソナを定義することで、より現実に即したペルソナを作成することが可能となる。
しかしこれら顧客分析手法は、多くとも3項目で顧客をグルーピングするため、詳細で具体的なペルソナに落とし込むにはまだ少し距離がある。
これを解決するために、顧客のグルーピングにクラスタリングなどの機械学習手法を用いる、という潮流があり、これによって作成されるペルソナはデータ駆動型(定量型)ペルソナと言われる。クラスタリングなどの機械学習による顧客分類(グルーピング)は、多数の項目に基づき行われるため、これまでの顧客分析と比べて、その後のペルソナ作成にもスムーズに移行でき、かつ非常に具体的なものとして取り組める可能性がある。

■関連記事
【1】ID-POS分析による効果的なマーケティング施策:分析手法(2)
https://bodais-datascientist.blogspot.com/2021/11/id-pos.html
ID-POSデータを用いた顧客セグメンテーション分析の手法に関して、クラスタリング、トピックモデルを紹介している。顧客ペルソナを構築することで、より効率的にマーケティング施策を実施することができると述べられている。下記の図は、クラスタリングによって、顧客セグメントを分けて、それぞれのグループに対して「購買傾向」、「行動特徴」等を明らかにすることができる。


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