【英語】 RFM: Recency Frequency Monetary

【読み】 アールエフエム

用語解説

顧客価値の分析に使用される方法。Recency(最新購買日)、Frequency(購買頻度)、Monetary(購買金額)、この3つの要素の組み合わせで顧客にランク付けし、セグメンテーションする際に使用される。

■詳細説明
RFM分析とは
マーケティングの顧客分析手法のひとつである。「Recency(最終購買日)」「Frequency(購買頻度)」「Monetary(累計購買金額)」の3要素で顧客のグルーピングを行う。3要素の頭文字を取って、RFM分析と呼ぶ。

RFM分析の目的
マーケティングの目標は、自社の商品やサービスに対するLTV(Life Time Value)を最大化することにあるが、そのためには全顧客へ画一的なマーケティング施策を講じるのではなく、様々な顧客の特性に応じてその内容を変化させることが重要である。そこで、顧客の特性を「Recency(最終購買日)」「Frequency(購買頻度)」「Monetary(累計購買金額)」の組合せで定義し、その特性ごとに顧客をグルーピングするのがRFM分析である。例えば、「最終購買日が最近で、購買頻度が高く、累計購買金額が大きい」顧客グループには「優良顧客」という特性が与えられ、「購買頻度が高く、累計購買金額が大きいが、最終購買日がかなり前である」顧客グループには「休眠顧客」という特性が与えられるだろう。そして、「優良顧客」「休眠顧客」などそれぞれの顧客特性に応じたマーケティング施策が講じられることとなる。

RFM分析の手順
RFM分析の基本的な手順は以下となる。
1. 分析対象とする期間を決める
「Frequency(購買頻度)」「Monetary(累計購買金額)」は、期間によってその値が異なるため、分析したい期間を決める必要がある。
2. データを収集する
1.で決めた期間に応じたデータを収集する。データは、購買履歴に加えて、必要に応じて顧客の属性情報(年齢、性別、職業、etc…)や商品情報なども収集する。
3. RFMの3つの観点それぞれについてスコア基準を決める
スコアは、一般的には、1~5の5段階で付ける。5が良く、1が悪い。例えば、「Recency(最終購買日)」について言えば、直近1週間以内→5, 直近2週間以内→4,…, 直近5週間以内→1、といった具合となる。スコア基準は、分析対象となる商品やサービスの特性によって変わってくる。
4. 顧客ごとにRFMの3要素のスコアを算出し、そのスコアの組合せに応じて顧客をグルーピングする
例えば、RFMのスコアが順に「555」の顧客は「優良顧客」、「155」の顧客は「休眠顧客」、「111」の顧客は「マーケティング施策対象外」、といった具合に顧客をグルーピングする。

RFM分析結果の解釈
一般に、RFM分析結果は以下のように解釈される。RFMのスコアに応じて、3次元にプロットすると、各顧客グループ間の関係が見やすくなる。
・Rのスコアが高いほど将来の企業収益に貢献してくれる可能性が高い
・Rのスコアが低ければFやMのスコアが高くても他社に奪われている可能性が高い
・Rのスコアが同じならFのスコアが高いほど常連顧客
・Rのスコアが同じならFやMのスコアが高いほど購買力がある顧客
・RやFのスコアが高くてもMが少ない顧客は購買力が低い
・Fのスコアが低くMが高い顧客はRの高いほうが良い顧客
・Fのスコアが上がらないか下がっている顧客は他社に奪われている可能性が高い
・RFM全てが低い顧客は切り捨ても検討

RFM分析の欠点
RFM分析の欠点を以下にまとめる。
・RFM分析は、購買時期と購買金額で顧客をグルーピングするため、購入した商品の情報は考慮していない。そのため、例えば、商品カテゴリごとにマーケティング施策を検討する、といった場合には、商品カテゴリごとにRFM分析を実施する、などの工夫が必要となる。
・RFM分析は、最終購買日や購買頻度のスコアに基づき顧客をグルーピングするため、購買頻度が比較的高い商品やサービスに対する分析には適しているが、不動産や車、保険などといった購買頻度の低いものに対する分析には適していない。
・RFM分析は、分析対象とする期間に応じて購買頻度や累計購買金額の値が変わるため、その結果も異なったものとなる。特に、季節性のある商品や、ベビー用品などの顧客側の事情により購買時期にムラが生じるような商品についてRFM分析を行う場合には、期間による分析結果の変化が大きいため、注意が必要である。
・RFM分析は、RFMのスコアの組合せごとに顧客をグルーピングするが、例えばRFMのスコアが「544」「445」のどちらへ優先的にマーケティング施策を実施するか、などは取り扱っている商品やサービス、企業の状況などに依存する。

RFM分析以外の顧客分析手法
分析の目的によっては、RFM分析以外の顧客分析手法を検討する必要がある。
例えば、「購買金額」のみに焦点を当てて顧客をグルーピングしたい場合には、顧客を購買金額で降順に並べて10グループに分割するデシル分析、商品の特徴に焦点を当てて顧客をグルーピングしたい場合には、「Category(カテゴリ)」「Taste(テイスト)」「Brand(ブランド)」の3要素を用いるCTB分析、などがある。

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【1】ID-POS分析による効果的なマーケティング施策:分析手法(1)
https://bodais-datascientist.blogspot.com/2021/10/id-pos.html ID-POSデータを用いた顧客セグメンテーション分析の手法に関して、バスケット分析とRFM分析を紹介している。顧客ペルソナを構築することで、より効率的にマーケティング施策を実施することができると述べられている。下記の図は、RFM分析によって優良顧客(黄)、休眠顧客(緑)、新規顧客(赤)が分けられている。


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