【英語】 AARRR: Acquisition Activation Retention Referral Revenue

【読み】 アー

用語解説

グロースハックにおける顧客行動の分解モデルのこと。顧客行動の状態を5つのステップに分け、その頭文字を組み合わせたフレームワーク。顧客の各段階は、Acquisition(誘導:ユーザー獲得)、Activation(活性化:顧客情報の提供)、Retention(継続:リピーター化)、Referral(紹介:シェア)、Revenue(収益:優良顧客化)。ユーザー獲得(Acquisition)や優良顧客化(Revenue)だけに注目しがちなマーケティングから脱し、さまざまなフェーズを認識、そこにあった施策を展開し、サービスや商品を成長させることを目的とする。各フェーズは、例えば初回訪問⇒初回利用や会員登録⇒継続利用⇒サービスの共有や紹介⇒優良顧客化、という一連のフローで表現することができる。


■詳細説明
AARRRとは
AARRRとは、
・Acquisition(アクイジション): 新規ユーザー獲得
・Activation(アクティベーション): ユーザー活性化
・Retention(リテンション): 継続
・Referral(リファラル): 紹介
・Revenue(レベニュー): 収益
の頭文字をとったもので、AARRR(アー)と発音される。サービスやプロダクトの成長戦略モデルである。AARRRを利用することで、段階ごとにKPIを設置し、サービスの成長状況の分析・モニタリングを行うことができるため、計画的な成長戦略を立てることができる。

AARRRの詳細説明
AARRRを用いることで、サービスの成長過程が細分化し、各段階で達成すべきKPIを明確化することができる。また、どの段階に課題が存在するのかが明確になり、最適な施策を打つことが可能となる。各段階で行うべきことや、広く用いられているKPIはそれぞれ次のようなものがある。なお、ここではECサイトやアプリの成長戦略におけるAARRRを想定している。

・Acquisition:新規ユーザー獲得
Acquisitionの段階では、より多くの新規ユーザーを獲得することを目標とする。KPIとしては新規ユーザー登録数、サイト訪問数、広告クリック数、アプリダウンロード数、アプリストアページ訪問数などが挙げられる。Acquisition向上のための施策としては、例えば新規ユーザー登録の特典を用意しPRする、会員登録・アプリのダウンロードを手早くできるような流れを整える、などがある。もし、ユーザーがすでにGoogleアカウントを持っているのであれば、そのアカウントを使用して会員登録できるようにするなど、サービス利用開始までの手続きを簡略化するといった施策も有効である。

・Activation: ユーザー活性化
Activationとは、ユーザーがサービスを使い始めることを意味する。その際、初回使用の後も使い続けたいと思わせるようなユーザー体験を提供することが目標となる。この目標達成のKPIとしては、無料体験版や無料チュートリアルを設け、無料版使用後に会員登録に至る件数、初回仕様から2回目の使用までの間隔などの指標がある。Activation向上のための施策としては、UIを使いやすいものにする、操作方法の解説を充実させる、などがある。登録者数は多いのに初回使用後ログイン数が少ないなどの問題がある場合、初回でのユーザー体験に課題がある可能性が高い。

・Retention: 継続
Retentionとは、獲得したユーザーの継続的なサービスの使用を意味する。KPIとしては、サイトのリピート(再訪問)率やMAU(Monthly Active Users、月間アクティブユーザー数)、訪問頻度、メールマガジンやアプリのプッシュ通知の開封率などがある。Retention向上のための施策としては、定期的なポイントサービスの実施、クーポンの配布、キャンペーンの実施などがある。一定期間ログインのないユーザーへのメールマガジン配信やプッシュ通知などの施策も、広く行われている。また、サービスを継続使用する上でユーザーがストレスに感じている部分を特定し改善することも、Retention向上のためには重要である。

・Referral: 紹介
Referralとは、すでにサービスを使用しているユーザーが、家族・友人・知人にサービスを紹介することで新規のユーザーとなることを指す。また、あるユーザーが口コミサイトでサービスのレビューを書いたり、ソーシャルネットワークサービス(SNS)で当該サービスについて言及したりすることも、間接的なReferralであると考えられる。KPIとしては、Referralによる新規登録数(可能ならば通常の新規登録と区別するべきである)、アプリストアでの平均点数、レビューの数、SNSでの投稿数などがある。Referralを多くするための施策としては、友人紹介割引・ポイント還元、レビューを促すメッセージの表示、紹介の期間限定キャンペーン、SNSで簡単にシェアできる仕組みづくり、などが挙げられる。

・Revenue: 収益
Revenueは収益あるいは収益化を指し、各ユーザーのサービスの使用や課金により一定の収益が持続する段階を意味する。この段階はAARRRの最終段階であり、他のすべての段階での施策は、この段階のために行われると考えることもできる。ビジネスモデルによって収益化の形は違ってくるため、様々なKPIが考えられ、例えば、アプリ内購入金額、有料サブスクリプション数、広告収入の金額、LTV(Life Time Value、ユーザー生涯価値:あるユーザーの入会から退会までの間に得られる累積の利益)などがある。Acquisition~Referralの間にいくつもの施策を講じ、成果が出ているのならば、Revenueで課題となるのはユーザーの購買単価である場合が多い。従ってRevenue向上の施策としては、購買の発生しやすい時期や時間帯を狙ったセール・キャンペーンなどがある。

DX推進とAARRR

弊社では自社・顧客・業界を巻き込んだ全体最適化によるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することを目指している。AARRRとは個別業務から全体最適化を考えるものではなく、顧客の状況から全体最適化を見直す一つの考え方であるととらえることができる。顧客行動の状態は前述の5つのステップに分けることができ、下図のような各ステップに顧客を進ませる行動としている。

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