【英語】 Recommendation
Recommendation Engine

【読み】 レコメンド
レコメンドエンジン

用語解説

レコメンドは、ユーザーの好みを分析し、各ユーザーごとに興味のありそうな情報を選択して表示するサービスのこと。レコメンドエンジンは、過去ログからトレンドを学習して入力に対してレコメンドするエンジン。

■詳細説明
レコメンドとは
 レコメンドとは、webサイトやアプリケーション上において、ユーザーごとに興味のありそうな情報を選択して表示するサービスのことである。レコメンド機能を活用することによって、サイト運営側は閲覧数や売り上げを増加させ、ユーザーはより自分の気に入るサービスを発見しやすくなると期待できる。レコメンド機能を導入する際は、行動履歴や閲覧履歴の情報をもとにレコメンドが行われるため、アクセス数が少ないと精度よくユーザーの興味にあった商品やサービスをレコメンドすることができないという点に注意する必要がある。最低でも数千件程度の過去のアクセスログが必要と言われている。

レコメンド機能の導入
レコメンド機能の導入には、例えばユーザーがある商品のページを訪れた際に関連商品を併せて表示したり(クロスセル)、よりグレードの高い商品を表示したりする(アップセル)ことで、顧客単価の向上につながるという効果が期待できる。さらに、ユーザーが自分の好みや興味にあった商品がよく表示されるという認識を持てば、リピートユーザーとなり閲覧数の向上ひいては購買頻度の向上にもつながる。このようなレコメンド機能が導入される代表的なものとしては、複数の商品を取り扱うECサイトが挙げられる。また昨今では、メディアサイトで関連記事を紹介する、不動産サイトで関連物件を紹介する、旅行サイトで関連ツアーを紹介する、銀行サイトでローンを紹介する等、幅広く導入が進められている。

レコメンドの手法
・協調フィルタリング
協調フィルタリングはレコメンドエンジンでもっともよく使われている仕組みである。協調フィルタリングには、大きくアイテムベースとユーザーベースの2つの手法がある。アイテムベースでは、ユーザーの購買履歴を分析し、同じような購買履歴のある他の多数のユーザーが購入した商品をレコメンドする。ユーザーベースでは、ユーザーの行動履歴を基にして、行動履歴が似たほかのユーザーの購入・閲覧したアイテムをレコメンドする。例えば、「商品A→B→C」と閲覧するユーザーが多い場合、あるユーザーが「A→B」と閲覧したら「似た興味を持つユーザー」と判断して「C」の商品をレコメンドする。

・パーソナライズドレコメンド
パーソナライズドレコメンドは、ユーザーの閲覧履歴や購入履歴といった行動履歴から嗜好性を分析して、そのユーザー向けの商品をレコメンドする方法である。他のユーザーの行動を基にすることはなく、特定のユーザーの興味だけをベースに分析するため、より好みに合った商品やコンテンツをレコメンドすることができる。

・ルールベースレコメンド
ルールベースレコメンドとは、サイト運営者が紹介したい商品やサービスを、運営者が定めたルールに従って紹介する手法である。特定の商品やコンテンツ情報Aが購入・閲覧されたら、それに関連する情報Bを表示する。「Aに対してBをどれにするか」などのルールはサイト運営者が指定する。主に期間限定の商品やキャンペーンのレコメンドに使われる。

・AIを利用したレコメンド
 前述のレコメンド手法は、ユーザーの購買や行動の頻度を基にしたレコメンドであるが、AIを利用したレコメンドの手法もある。ユーザーの年齢、性別などの基本情報や、購買履歴、webサイトの閲覧行動などを学習させたAIにより、購買可能性の高い商品やサービスをレコメンドする。

レコメンドエンジンとは
レコメンドエンジンとは、webサイトに組み込むことでレコメンド機能(システム)を実現するためのエンジンであり、導入の手軽さやカスタマイズのしやすさ、そして適応するwebサイトの規模に応じて大きく以下の2つに分けられる。

・アプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)型
レコメンドエンジンの多くはASP型である。ASPは、Webアプリケーションとして提供されるソフトウェアやサービスであり、Webサイトに追加するだけで簡単に導入でき、多くはクラウド型のため、新しくサーバーを用意する必要はない。開発の費用がかからないためコストも抑えられ、個人サイトや小規模サイトでも手軽に利用し始めることができる。

・オープンソース型
オープンソース型のレコメンドエンジンは、高機能なサービスが多く、大規模サイトに向いていると言える。自社サイト用にカスタマイズすることができ、詳細なアクセス解析も可能である。ただし、オープンソース型のレコメンドエンジンは種類も少なく、日本製のものはほとんどないというのが現状である。自社でカスタマイズするには、知識やスキルが必要となる。また、ECサイトを構築する際にフルスクラッチでレコメンド機能を追加することもできるが、これはオープンソース型以上に時間と費用と知識が要求される。ECサイトを構築するためのシステムにレコメンド機能が搭載されていることもある。その場合、コストはかからないが、機能的には専用のレコメンドエンジンより使い勝手が悪いことがしばしばあるので、注意が必要となる。

Webページ上でのレコメンドエンジンのシステム構成の例は下図のようになる。レコメンドのためにはユーザーの行動履歴を蓄積するためのDBと、レコメンドバッチ処理サーバーが必要である。ユーザーがwebページにアクセスすると、ユーザーID、基本情報、選択ジャンル、閲覧コンテンツなどのデータがDBに送られる。ユーザーが該当ページへのアクセスを繰り返すことで、そのユーザーの行動履歴がDBに蓄積されていく。このDBのデータを基に、レコメンドは以下のように行われる。ユーザーがwebページにアクセスすると、ユーザーIDを基にして、DBの行動履歴からレコメンドスコアを付与するためのデータが抽出される。抽出データはレコメンドスコアエンジンで処理され、スコアを付与することで表示すべきページやコンテンツなどの優先度が決定される (スコアは処理サーバー中のDBに蓄積される)。レコメンド結果はレコメンドリクエスト処理エンジンによって処理され、ユーザーが閲覧しているページに表示される。


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