用語解説
クリック単価。Web上の広告で、広告のリンクが1回クリックされるために費やされた広告費。広告費÷クリック回数で計算される。
■詳細説明
CPCとは
CPCとは、クリックあたりのコスト=Cost Per Clickを略した用語であり、Webサイトの広告を1回クリックするごとに発生する広告掲載料金のことである。出稿の際の費用対効果を示す数字として分かりやすいため、広告の効果を分析する際に基本的な指標となっている。「クリック単価」などとも呼ばれ、インターネット広告の掲載料金設定でも広く用いられている。CPCは低ければ低いほど広告の費用対効果が高いとみなされる。
CPMとの違い
費用対効果などを確認する際、CPCの他によく用いられている指標がCPM(Cost Per Mille、Milleがラテン語で1,000の意)である。CPMは広告を1,000回表示させるのにかかった費用を意味する。CPMは慣例的に広告のコスト÷表示回数×1000で計算される。例えば30万円を投じ、100万回のインプレッションがあったとすると、CPMは300円と計算される。CPCはクリックに基づく数字、CPMは表示回数(インプレッション)に基づく数字であるため、効果に関する着目点が異なる。広告を通じて何を求めるかに合わせて、どちらを重視するかを適切に選択する必要がある。
CPCのメリット・デメリット
・CPCのメリット
CPCはユーザーのブラウザに出稿した広告が表示された段階ではなく、クリックされて目的のページにユーザーが誘導されたとき初めて費用が発生する。そのため「クリック報酬型広告」などとも呼ばれている。費用は「誘導」という成果に対するコストであり、ユーザーの誘導がなければ無駄な広告費が発生しない、という点が大きなメリットであると言える。
・CPCのデメリット
CPCによる広告出稿では、広告を関連させたいキーワードと上限CPC(1クリックあたり、ここまで料金を支払うという制限)を設定したのち、競合する出稿者とのオークションを経て単価が決定される。そのため、人気のあるキーワードに関連させて広告を出稿したい場合は、費用が高騰しやすいというデメリットがある。また、クリック数が短期間に増えたときなどは予算が早い段階で上限に達してしまうこともあり、計画的な出稿が難しくなることもある。
CPCの課題
CPCを抑えて出稿できるメディアを選ぶことも場合によっては必要であるが、そうしたメディアの中には下記のような課題を抱えているケースもある。
・「ポイントをプレゼント」など特典を準備している
ユーザーに対してインセンティブを用意してクリックを促しているサイトの場合、ポイント目当てのクリックが増えてしまうため、広告の効果が薄くなる場合がある。ただし商品やサービスの認知を狙っているケースであれば検討の余地がある。
・クリックミスを誘う設計になっている
コンテンツを操作する際に、誤って触れてしまう位置にリンクを用意しているというケースもある。これにより無駄なクリックが増えたとしても、成果につながるケースは少なくなるため、効果的であるとは言えない。
・単純に競合する出稿者が少ない
媒体があまり注目されておらずCPCが低く抑えられているというケースもある。見込み客との接点がありそうであれば出稿すべきであるが、そうでない場合は十分な成果が得られない可能性が大きいため、避けるべきである。
CPCの効果向上
これらの課題を正しく認識しておくことで初めて、効果的な広告出稿をしていくことが可能になる。
・適切な広告戦略を立てる
広告出稿の目的を改めて見直し、それに合わせて戦略を立てることが重要である。最終的な成果として位置付けられることの多い、自社の利益につながるアクションを求める場合は、いずれユーザーとなることが期待できる人々が多く集まる人気サイトなどへ出稿せざるを得ず、コスト削減が現実的ではない場合も多い。しかし、その前段階の「商品やサービスの認知や検討を求める」というフェーズであれば、競合を避けたCPCの低いサイトへの出稿でも成果が得られる可能性があるため、そういったサイトを狙って出稿するという広告戦略もあり得る。
・競合の起きにくいキーワード、メディアを狙う
競合の起きにくいキーワードや注目されていないメディアであれば、CPCは低く抑えることができる。そうしたキーワードやメディアの中で見込み客を惹きつけたり集めたりできるものを見つけることができれば、費用を抑えながら効果的な出稿先を見つけることができる。
・ユーザー獲得につながらないクリックを回避する
ただ単にクリック数を稼ぐだけでは最終的な成果にはつながらないため、自社利益につなげるクリックを増やし、そうでないクリックを減らすことが重要となる。そのためには検索パターンを見定めて、除外キーワードを設定することが効果的である。来訪者がどのような検索パターンでサイトを訪れているかを調べ、自社利益につながっていない検索ワードの組み合わせを除外することなどが効果的となる。ディスプレイ広告においては、ターゲットを絞ったり、誤クリックを誘う仕組みになっているサイトを避けたりすることで、獲得につながらないクリックを減らすことができる。
関連キーワード
関連事例