情報伝送の信号は、ノイズやタイミングのずれの影響によりデータが破損し、正しく伝送できないことがあります。

 

誤り訂正符号とは

情報伝送の信号は、ノイズやタイミングのずれの影響によりデータが破損し、正しく伝送できないことがあります。
そのため、エラーを検出したり(誤り検出)、訂正したり(誤り訂正)する技術が必要となります。
送信側は誤り検出/訂正のための情報を付加して送信し、受信側はその情報を使ってデータをチェックしたり復元することになります。
この技術を使って、音楽CDでは傷やゴミによる誤りの訂正をしていたり、携帯電話ではノイズや減衰による誤りを訂正しています。

エラーを検出したら再度取得が容易な場合、例えば、マイクロプロセッサの命令キャッシュはメインメモリの単なるコピーなので、エラー検出すれば再取得すればよく、エラー検出で十分となります。
検出するだけでは不十分な場合には、誤り訂正技術が必要となり、エラー検出と違ってデータの再送信の要求は行いません。
地上デジタル放送、衛星通信、ADSL、DVTR、身近なところでは、CD、DVD、BD、QRコードの訂正に応用されています。

代表的な誤り検出の手法には「パリティチェック」「チェックサム」「CRC」などがあります。
誤り訂正の手法には、ハミング符号、BCH符号、リード・ソロモン符号などがあります。
これらには代数学の理論が応用されており、付加する情報のサイズや求められる検出精度によって手法が異なってきます。
例えば、エラー発生率が小さく、速度が要求される用途(【例】ECCメモリ、RAID2)では、ハミング符号が利用されています。

誤り訂正符号の技術範囲は、通信の効率化と信頼性を高めるための符号化理論に属しますが、この他よく耳にするものにデータ圧縮や暗号化などがあります。
同じ符号化といっても、暗号化は情報を第三者に知られないように伝えることを目的としますが、誤り訂正では情報を正確に伝えることを目的としています。

概念図

商品/デモ

誤り訂正技術のデモをこちらからご体験いただけます。同じ符号化技術である暗号化との違いをご覧ください。